VTIは米国株の一つで、米国市場を幅広くカバーしています。株による投資に取り組むうえで、VTIは知っておくべきETF(上場投資信託)となるため要チェックです。
そこで今回は、VTIとは何かという基本的な部分をはじめ、投資方法・株価、配当利回りなどを解説していきます。
また、VTIの売買におすすめとなるネット証券を3選ピックアップし特徴を紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
小野
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Contents
VTIとは?構成銘柄とVOOとの違い
VTIとは?
VTIは米国のETFで、大型株から小型株までを幅広くカバーしています。ETFとは正式名称が「Exchange Traded Fund」であり、上場投資信託という意味です。
なお、以下に基本情報をまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
名称 | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF |
---|---|
設定日 | 2001年5月31日 |
基準価額※2022年4月13日時点 | 220.54USD |
資産総額 | 282.094USD |
直近配当利回り | 1.28% |
トータルリターン |
|
市場 | NYSE・ARCA |
運用会社 | The Vanguard Group, Inc. |
主な取扱い証券会社 | SBI証券・楽天証券・IG証券 |
VTIの正式名称は「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」と言い、The Vanguard Group, Inc.が運営しています。
国内で取り扱っている主な証券会社は、SBI証券・楽天証券・IG証券です。The Vanguard Group, Inc.は、アメリカのペンシルベニア州に本社を置く資産運用会社となります。
VTIの主要な構成銘柄
VTIは米国市場のほぼ全ての株式をカバーするETF。Appleなどの超大型株だけでなく、中〜小型株にまでまとめて投資できるため、分散性が高いのが特徴です。
VTIの投資対象は、約4,000銘柄以上の米国株式で、指数は「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」をベンチマークにしています。
シカゴ大学証券価格調査センターで開発された指数。米国市場の小型〜大型株を網羅し、4,000以上の銘柄に時価総額の加重平均で投資を行う。
簡単に言うと、S&P500などと比べてより幅広い銘柄に投資できるのがVTIです。ただし、全銘柄へ均等に投資しているわけではなく、Appleなどの大型株は比重が大きくなっています。
組入銘柄 | 比率 |
---|---|
アップル | 5.89% |
マイクロソフト | 4.85% |
アマゾン・ドット・コム | 2.73% |
テスラ | 1.97% |
アルファベット | 1.60% |
アルファベット | 1.41% |
ユナイテッド・ヘルス・グループ | 1.32% |
バークシャー・ハサウェイ | 1.25% |
ジョンソン・エンド・ジョンソン | 1.20% |
エクソン・モービル | 1.02% |
出典:Bloomberg
VTIは投資対象が広く、未来のGAFAMとなる可能性のある将来性の高い銘柄も含まれているのがポイントです。
VTIのセクター比率
セクターとは、株式銘柄における業種のこと。株式は大きく11種類のセクターに分けられており、セクター比率はファンドの中でどの業種がどのくらいの比率なのか表す数値です。
VTIのセクター比率、すなわち業種の割合は以下のようになっています。
セクター | 割合 |
---|---|
情報技術 | 25.8% |
一般消費財 | 14.8% |
資本財 | 12.9% |
金融 | 11.2% |
生活必需品 | 3.6% |
不動産 | 3.6% |
エネルギー | 5.0% |
公共事業 | 5.0% |
通信 | 2.4% |
素材 | 2.0% |
出典:Vanguard
VTIは「情報・技術セクター」の割合が最も大きいです。このセクターにはアップルやマイクロソフトなどの大手も含まれており、分配金が少ない反面、成長性が高いと言う特徴があります。
また、Amazonやテスラ、マクドナルド等が含まれる「一般消費財セクター」の割合も多めです。このセクターは不況でもニーズが途切れにくく、安定性があります。
VTIの経費率
VTIは経費率においても優秀です。
ファンド全体の資産に対する経費の割合のこと。ファンドにおける経費とは、信託報酬や売買手数料、信託財産留保などが含まれる。
経費率が低ければ低いほど、低コストで運用できていると言えるでしょう。VTIの経費率は0.03%と非常に優秀です。参考までに、他のETFと経費率を比較してみましょう。
ETF | 経費率 |
---|---|
VTI | 0.03% |
SPY | 0.09% |
QQQ | 0.2% |
VYM | 0.06% |
VIG | 0.06% |
SPYD | 0.07% |
出典:Bloomberg
バンガードをはじめ、世界最大規模のファンドが運用する優秀なETF達と比較しても、トップクラスに経費率が安くなっています。
同カテゴリーのファンド全体で見ると、平均の経費率は0.8%なのでVTIは非常にコストが低いと言えるでしょう。
VOOとの違いとは?
VOOとはVTIと同じく米国株に投資をするETFで、運営はそれぞれThe Vanguard Group, Inc.です。VTIとVOOの違いがわかりやすいよう以下表で比較していきます。
項目 | VTI(※1) | VOO(※2) |
---|---|---|
設定日 | 2001年5月31日 | 2010年9月9日 |
構成銘柄数 | 約4,000銘柄 | 約500銘柄 |
基準価額※2022年4月13日時点 | 220.54USD | 402.92USD |
資産総額 | 282.094USD | 280.808USD |
経費率 | 0.03% | 0.03% |
直近配当利回り | 1.28% | 1.36% |
トータルリターン |
|
|
VTIとVOOのパフォーマンスには、さほど差がありません。構成銘柄数に関しては、VTIは約4,000に対してVOOは約500で構成されているため、大きく差が開いています。
投資信託組入れ上位銘柄となる企業も、VTIとVOOで若干の違いはあるもののほぼ同じです。
VTIの年率リターンや分配利回りを徹底解説
ファンドを運用して得られるリターンを考える際は、以下2つの指標が重要です。
- 年率リターン
- 分配利回り
それぞれ詳しく解説します。
(1)年率リターン
年率リターンとは、対象となる期間の平均収益率のことを指します。対象期間によっても変わるため、年率リターンが高ければ高いほど多くのリターンを得られるとは限りません。
わざと成績の悪い期間を対象から外しているケースもあるため、VTIの年率リターンをさまざまな期間に区切って見てみましょう。
対象期間 | リターン |
---|---|
3ヶ月 | -3.61% |
3年間 | 9.85% |
5年間 | 9.88% |
VTIは2022年に入ってからマイナスになっています。しかし、過去5年間をさかのぼってみるとリターンは10%近くに達しており、非常にリターンが高いことがわかります。
次に、運用開始から現在までの値動きをチャートで見てみましょう
VTIは設定依頼、右肩上がりに成長を続けていることから、非常に安定したリターンを生み出しています。
(2)分配利回り
VTIはあくまでリターンの高さや分散性を売りにしているETFのため、分配利回りは低めに設定されています。VTIの直近の配当利回りは1.63%、配当額は0.7955ドル(約117円程度)です。
出典:Bloomberg
VTIは配当が安定していますが、株価に対する配当利回りは高くありません。参考までに、他のETFと比較してみましょう。
ETF | 経費率 |
---|---|
VTI | 1.63% |
SPY | 1.64% |
QQQ | 0.74% |
VYM | 2.87% |
VIG | 1.91% |
SPYD | 4.26% |
キャピタルゲインよりもインカムゲインが目当てなら、VYMやSPYDなど、より高配当なETFへの投資も検討してください。
VTIの株価【現在〜過去】
2022年10月
2022年10月30日現在、VTIの価格は約195ドル(28,753円程度)です。
VTIは設定依頼、右肩上がりで成長を続けてきました。しかし、2022年に入ってからは下落することもあり、直近3ヶ月のリターンでは珍しくマイナスになっています。
とはいえ、VITは米国市場の株式をほぼカバーできる優秀なETFです。今後も成長を見せてくれる可能性は高いでしょう。
2022年4月
VTIの株価については、2022年4月13日時点で223.93USDとなっています。なお、始値は222.86USD・前日終値は221.18USDです。
直近配当額は0.7082、直近配当利回りは1.28%です。随時変動するため、株価の情報はチェックしておきましょう。
VTIの投資方法
VTIへの投資方法は、現物取引とCFD取引の2つがあります。それぞれを解説していくため、ぜひ参考にしてみてください。
現物取引
現物取引はVTIの基本的な取引方法です。現物取引とは、取引所を通じて売買をします。自身で保有する資金だけで株を購入し、売る際は現物の株のみを売却できます。
取引所に対してVTIの買い注文を発注し、約定した価格で現金とVTIを受け渡し決済するまさに基本となる方法なため、初心者向けと言って良いかもしれません。
CFD取引
CFD取引とは差金決済取引と言い、現物ではなく売買の差額のみをやり取りする方法です。現物を保有しないことから、売り注文からの取引もできます。
なお、レバレッジを効かせると証拠金の何倍にもなる利益を得られる可能性がある点は大きな特徴です。逆に大きな損失となるリスクもあるため、経験者向けの方法と言えます。
VTIに投資するメリットとデメリット
VTIに投資することにより得られるメリットとデメリットにはどのようなものがあるのか、まずはメリットから見ていきましょう。
VTIに投資するメリット
構成銘柄が多い
VTIの代表的なメリットは、構成銘柄が多く米国株式全体をカバーしている点が挙げられます。VTIと同じく米国株に投資をするETFであるVOOと比較しても差は歴然です。
VTIの構成銘柄には世界的に名前が知られている大企業に加え、中小企業も数多く含まれています。そのなかには、先々で大企業になり得る会社も名を連ねているのです。
VOOに比べると構成銘柄が多いため、VTIでは中小企業が成長した際に恩恵を受けやすくなっています。
また、上場廃止となった企業は売却する形を取っているため、構成銘柄を入れ替えることが少ない点も特徴でありメリットと言えるでしょう。
分散投資ができる
VTIに投資をすることで、約4,000銘柄に投資ができるという点は大きなメリットと言えるでしょう。つまり、VTIは分散投資を実施できるのです。
分散投資をするにあたって、本来であれば各企業の情報を数多く収集しなければいけません。VTIでは手間をかけず、メジャーどころだけでなく幅広い中小型株にも投資ができます。
信託報酬が低い
信託報酬とは、投資信託を運用や管理をするにあたって必要となる手数料のことです。アメリカ株の経費率の平均0.98%と言われていますが、対してVTIは0.03%となります。
数値には圧倒的な違いがあり、信託報酬を抑えることでマイナスが少なくなるため、運用リターンが相対的に大きくなるのです。
運用コストが安価
長期に渡った成長が見込める
VTIは成長性の高さが特徴です。米国の4,000銘柄以上に分散していますが、うち20%程度は情報・技術セクターが占めています。
アップルやマイクロソフトなど、配当よりも企業の成長性を重視する企業に比重を置いているため、VTIも設定来から平均収益は+8.11%にも達しています。
投資の世界では、リターンが3%で並、リターン5%でハイリターンとされているほどですので、いかにVTIのリターンが高いかわかるでしょう。
VTIに投資するデメリット
少額での投資はできない
VTIのデメリットとして、まず挙げられるのは少額投資ができない点です。VTIの価格は、2022年3月24日時点で223.93USDとなります。つまり、日本円に換算すると約27,245.34円です。
1株約27,245.34円となるため、取引をするにはそれなりの資金が必要となります。
まずはデモトレードなどを活用して慣れてから、実際に取引するといった流れが無難かもしれません。
為替手数料がかかる
VTIはアメリカの株式市場に上場するETFであるため、取引をする際は円から米ドルに交換しなければいけません。つまり、交換する度に為替手数料がかかってしまうのです。
為替手数料は各証券会社で違うため一概には言えませんが、長期に渡るあるいは何度も取引をしていると、それなりの出費となりかねません。
円で購入できる投資信託に比べてコストがかかってしまう点は、VTIのデメリットと言えるでしょう。
分配金を再投資することが困難
投資信託やETFに投資する際、分配金を受け取らず再投資することで配当を得る都度課税されることがなくなり、効率良くリターンを得ることができます。
しかし、VTIでは配当自動投資はできません。さらに、自分で再投資しようにも分配金がVTIの価額未満だと投資できないため、手間がかかってしまいます。
確定申告が必要になることも
VTIの分配金は、米国と日本で二重課税されます。二重課税を避けるには「外国税額控除」を行う必要があり、自分で確定申告する手間がかかってしまうのがネックです。
分配金は米国で源泉徴収(税率10.0%)され、さらに日本国内でも課税(税率20.315%)されてしまいます。とはいえ、VTIの分配利回りは高くないため、よほど運用額が大きい方以外はそこまで気にしなくても良いでしょう。
VTIの売買におすすめの証券会社3選
楽天証券
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海外ETFの基礎を学べるよう、基本的な情報から探し方などを詳しく解説してくれています。日本のETFとの違いについても触れているため、知識を身に付けるうえで役立つでしょう。
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楽天証券の基本情報
※出典:公式サイト・2022年10月24日時点
運営会社
楽天証券株式会社
口座開設数
約800万口座
取引手数料
(国内株式 現物取引 超割コース)10万円
99円
20万円
115円
50万円
275円
100万円
535円
取扱商品数
株
多数
投資信託
2,652
ETF/REIT
多数
一般NISA
○
つみたてNISA
○
ミニ株
○
スマホ投資
○
貯まるポイント
楽天ポイント
出典:楽天証券
SBI証券
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SBI証券の基本情報
運営会社 | 株式会社SBI証券 | |
---|---|---|
口座開設数 | 約880万口座 | |
取引手数料 |
10万円 | 99円 |
20万円 | 115円 | |
50万円 | 275円 | |
100万円 | 535円 | |
取扱商品数 | 株 | 多数 |
投資信託 | 2,706 | |
ETF/REIT | 304 | |
一般NISA | ○ | |
つみたてNISA | ○ | |
ミニ株 | ○ | |
スマホ投資 | ○ | |
貯まるポイント |
|
※出典:公式サイト・2022年10月24日時点
出典:SBI証券
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IG証券の基本情報
運営会社 | IG証券株式会社 |
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主な取引ツール |
|
主な手数料(税込) |
|
投資信託数 | 17,000銘柄以上 |
NISA/つみたてNISA | 不可 |
出典:IG証券
VOOとの違いを表で比較!
VOOとはVTIと同じく米国株に投資をするETFで、運営はそれぞれThe Vanguard Group, Inc.です。VTIとVOOの違いがわかりやすいよう以下表で比較していきます。
項目 | VTI(※1) | VOO(※2) |
---|---|---|
設定日 | 2001年5月31日 | 2010年9月9日 |
構成銘柄数 | 約4,000銘柄 | 約500銘柄 |
基準価額※2022年4月13日時点 | 220.54USD | 402.92USD |
資産総額 | 282.094USD | 280.808USD |
経費率 | 0.03% | 0.03% |
直近配当利回り | 1.28% | 1.36% |
トータルリターン |
|
|
VTIとVOOのパフォーマンスには、さほど差がありません。構成銘柄数に関しては、VTIは約4,000に対してVOOは約500で構成されているため、大きく差が開いています。
投資信託組入れ上位銘柄となる企業も、VTIとVOOで若干の違いはあるもののほぼ同じです。
VTIに関するよくある質問
まとめ
この記事では、VTIとは何かという基本的な部分をはじめ投資方法・株価などを解説し、VTIの売買におすすめの証券会社3選をピックアップして特徴を紹介しました。
VTIは米国のETFで、大型株から中小型株までを広くカバーしています。