
60歳で定年をむかえた場合、必要な老後資金は3,000万円であるといわれます。将来の資産運用のために株式投資を始めたいと考えている方も多いことでしょう。銀行に預けておくだけの預貯金と違って、少し難しいイメージがあるかもしれません。
初めて株式投資をする場合、ネット証券を利用するのがおすすめです。手数料の安さがポイントで、ネットから簡単に注文することが可能です。今回は、初心者向けに株式投資で失敗しないための注意点やネット証券の口座を比較して紹介します。

Contents
株式投資の始め方3ステップ
株式投資は難しそうに思えるかもしれませんが、実は誰でもできるほど簡単です。具体的には、次の3ステップで進めていきましょう。
- 証券口座を開設する
- 口座に資金を入金する
- 株を選んで購入する
それぞれの手順を詳しく解説します。
(1)証券口座を開設する
株式を購入するには、証券口座が必要になります。
証券口座は、株式の購入・売却や保存、管理のために使用する口座です。初めて株式投資を始めるなら、まずは手頃な「ネット証券」を利用すると良いでしょう。
なお、証券口座に登録する手順は以下の通りです。
- 口座開設を申し込む
- 本人確認書類とマイナンバーを提出する
- 必要事項を入力
- 必要書類を受け取る
- 書類を確認してログイン
証券会社にもよりますが、申し込んでから実際に取引できるようになるまで2〜3日以上かかることが多いです。

(2)口座に資金を入金する
次に、証券口座に資金を入金しましょう。
入金する資金は、無理のない範囲内で問題ありません。本来、株式は100株単位でしか購入できないため、ある程度まとまった金額が必要になります。
しかし、最近の証券会社では「ミニ株」を用意しているケースも多いため、1万円以下の資金でも十分取引できるでしょう。
ミニ株以外だと、およそ5万円程度あればいくつかの株式を購入できます。

(3)株を選んで購入する
資金を入金したら、好きな株式を選んで購入しましょう。
一般的に、小さい企業の株は値動きが大きくてリスクが高めで、反対に大企業の株ほど安定性があります。初心者なら、Amazonなど世界的に有名な企業の株式から検討してみると良いでしょう。
なお、注文方法は以下の2種類があります。
- 成行注文
- 指し値注文
「成行注文」は、注文を出した時点での価格で株式を購入する方法です。必ず購入できますが、注文した瞬間に株価が変動すると思ったのと違う価格になるリスクがあります。
「指値注文」は、あらかじめ指定した価格で自動的に購入してもらう方法です。指定価格で注文できますが、逆に指定価格に到達しなければ注文が入りません。

株式投資とは
株式投資とは、文字通り「株式」と呼ばれる有価証券を購入して利益を狙う投資方法です。
仕組みとしては、まず株式会社が会社にとって必要な資金を調達するために株式を発行します。投資家は株式を購入して資金調達に貢献する代わりに、株式の値上がり益や配当、優待などを得られます。
なお、株式投資には次のような方針の違いがあることを覚えておきましょう。
- 値上がり益狙い
- 配当・優待狙い
「値上がり益狙い」は、株式を購入して値上がりしてから売却する方法です。上手くやれば短期間で利益を狙えますが、注文は手動で行わなければなりません。
「配当・優待狙い」は、株式を保有し続けて配当や優待を受け取る方法です。放置するだけで恩恵が得られますが、株価が下がっては本末転倒なので注意しましょう。

株式投資の3つのメリット
株式投資は他の投資方法と比べると、次のようなメリットがあります。
- 少額から始められる
- 値上がり益を狙える
- 配当や優待がもらえる
もう少し具体的に解説します。
(1)少額から始められる
株式投資はお金がたくさん必要なイメージがあるかもしれませんが、実は少額投資も可能です。
通常、日本株は100株単位でしか購入できませんが、証券会社によっては1株からでも購入できます。少額投資なら株価が下がっても損失を抑えられますし、複数の株に分散投資できますよ。
初心者なら、少額から購入できる株を選ぶと良いでしょう。

(2)値上がり益を狙える
株式投資最大の魅力は、やはり株の値上がり益です。
簡単に言えば、購入したときと売却したときの価格差によって利益を狙います。
例えば、10万円で購入した株があとで値上がりして、15万円になったときに売却すれば、トータルで利益は5万円となります。
特成長中の企業の株を購入して保有していれば、さらに大きな値上がりを狙うこともできるでしょう。

(3)配当や優待がもらえる
株式投資は値上がり益だけでなく、配当や優待などの恩恵を受けられます。
配当は、企業が利益の一部を株主に還元するために支払われる対価のこと。基本的に1株単位で支払われるため、持っている株数が多ければ配当も大きくなります。
例えば、1株当たりの配当金が30円の株式を100株持っていると、受け取れる配当金は30,000円です。
ただし、会社の業績が悪くなって配当が下がったり、なくなったりする可能性もあるため注意しましょう。

株式投資で失敗しないための3つの注意点
株式投資には一定のリスクもあります。これから投資を始めるなら、次の3点に注意しましょう。
- 余剰資金で投資する
- 銘柄を分散させる
- 損切りはしっかり行う
それぞれ詳しく解説します。
(1)余剰資金で投資する
株式に限らず、投資は基本的に余剰資金の範囲内で行いましょう。
生活費やいざという時の貯蓄を除いたお金のこと。なくなっても問題なく生活できる範囲内を指す。
もし生活に必要なお金を投資してしまうと、金融危機が起こったり会社が不祥事を起こしたりして株価が下がった際、一気に苦しくなってしまう可能性があります。
いくら大企業でも、将来的ずっと安定しているかは誰にも予想できません。

(2)銘柄を分散させる
株式投資を行うなら、極力銘柄は分散しましょう。
なぜなら、集中投資はリスクが高まるからです。仮にひとつの株式に資金のすべてを注ぎ込んでいると、もし株価が暴落した際に大ダメージを負ってしまいます。
一方、複数の銘柄に分散投資していれば、どれかの株価が下がってもダメージを抑えられるため、良いリスクヘッジになりますよ。
株式投資の場合、銘柄だけでなく、セクター(業種)も分散するとより効果が大きいです。

(3)損切りはしっかり行う
損切りは徹底して行いましょう。
株価を抱えて損失が生まれた際に、損を受け入れて株式を売却すること。
持っている株が値下がりしてしまった際、多くの初心者は損失が怖くて売却できません。しかし、損切りをしないと株価がどんどん下落、最終的に大損失につながってしまう可能性もあります。
投資前に損切りのラインを決めておき、損切りラインより下がったら迷いなく売却するようにしましょう。

株式投資ならネット証券がおすすめ
初めて株式投資を行うなら、ネット証券がおすすめです。
ネット証券のメリットは、なんと言っても手数料の安さ。証券会社の窓口で株式を購入すると、割高な手数料を取られてしまいます。
ちりも積もれば山となるで、購入するたびに手数料を取られていては、長期的にかなりの損失になってしまうでしょう。
ネット証券は手数料が非常に安い上に、ネットから簡単に登録や注文できるため、初心者が株式投資を始めるには最適だと言えるでしょう。

株式投資で銘柄選びをする際の3つのポイント
ご存知の方も多いと思いますが、株式投資の際は銘柄選びが非常に重要になります。この項では、銘柄選びの3つのポイントについて見ていきましょう。
- 割安株を選ぶ
- 成長株を選ぶ
- 配当比率や配当性向で選ぶ
実際には、ひとつの要素だけ見て判断できるほど単純なものではありません。しかし、最低限これから紹介する3つのポイントだけは知っておいてください。
(1)割安株を選ぶ
1つ目は、割安株を選ぶ方法です。
割安株とは、株式市場の市場平均よりも割安な株のことを指します。割安株の判断は、以下の計算式を用いて行います。
PER(株価収益率) = 株価 ÷ 1株当たり純利益
PERガ15倍以下の株式は割安株と判断されます。当然、本当に割安なのかどうかは他の指標も見る必要があるため、これだけで判断することはできません。
(2)成長株を選ぶ
2つ目は、成長株を選ぶことです。
成長株はこれから株価が上がる可能性が高い株で、長期的に大きな利益を狙える可能性があります。成長株の判断の基準は、先ほど紹介したPER(株価収益率)です。
PERが高ければ高いほど良い成長株とされています。
他にも、新しいサービスを生み出している企業や最先端技術を持っている企業は将来性があるため、普段からニュース等を確認しておくと良いでしょう。

(3)配当比率や配当性向で選ぶ
3つ目は、配当で選ぶ方法です。
配当は株式を保有しているだけで受け取れるため、配当が多くもらえる株を購入することで、継続的な収入を得ることができます。
なお、配当目当ての場合は「配当比率」や「配当性向」で判断しましょう。それぞれ以下の計算式で求められます。
配当比率 = 1株当たりの配当 ÷ 株価 × 100
配当性向 = 1株当たりの配当 ÷ 1株当たりの当期純利益 × 100
ただし、とりあえず配当の高い株を買えばいいというわけではありません。
配当比率、配当性向が高いということは、それだけ利益を配当に回している、つまりは企業の成長に投資している額が少ないということだからです。

株式投資にかかる税金について
株式投資では、株の売却益と配当に対して税金が課せられます。
売却益は「譲渡益」とも呼ばれ、一律20.315%の申告分離課税です。当然、売却して得た収入から購入費用や手数料等が差し引かれて計算されます。
売却益は他の所得(事業所得や不動産所得)と合算できる他、もし合算しても損失になった場合、損失を3年間繰り越すことも可能です。

配当金は「配当所得」として扱われ、一律20.315%となりますが、源泉徴収されるため自分で確定申告する必要はありません。
もし自分で確定申告する場合、総合課税か申告分離課税のいずれかを選択できます。
確定申告の期限は2月16日〜3月15日まで。脱税とならないよう、しっかり確定申告を行いましょう。
株式投資以外でおすすめの投資方法
何も、投資方法は株式投資だけではありません。人によっては株式投資より良い方法が見つかるかもしれませんので、他の投資方法についても知っておきましょう。
- 投資信託
- ロボアドバイザー
- REIT
それぞれ詳しく解説します。
(1)投資信託
投資信託は、複数の株式をセットにした投資商品です。
株式投資と違って複数の株式に同時に投資できるため、リスクは比較的抑えられています。
代表的なのはインデックスファンドで、日経平均株ややダウ平均株価と同じような動きになるよう、ファンドが運用されているのが特徴です。
なお、似たようなものに「ETF(上場投資信託)」というものがありますが、基本的な仕組みは投資信託と変わりません。

(2)ロボアドバイザー
ロボアドバイザーは、資金管理や投資先を運用会社に一任する方法です。
何より手間がかからないのが魅力だと言えるでしょう。
WealthNaviなどでは、自分の性格などを答えていくだけで最適なポートフォリオを組んでくれるよう作られていて、初心者でも非常にとっつきやすいです。
ただし、自分で株や投資信託を購入する場合と違って高額な運用管理手数料(年率1%前後)がかかるため、自分で銘柄選定できる人には無用の長物です。

(3)REIT
REITは、不動産投資信託証券の略です。
投資家から集めた資金でひとつの不動産に投資し、そこから得られた収入を配当しています。一般的な不動産投資はまとまった資金を必要としますが、REITを活用すれば少額から不動産投資に参加できます。
物件はマンションやオフィスビル、商業施設などさまざまで、購入も簡単ですので、ぜひポートフォリオの一部に組み入れてみましょう。

おすすめのネット証券口座比較紹介
LINE証券
- 1株数百円という少額資金から投資を始められる
- スマートフォンで取引しやすい設計になっている
- 現物取引の手数料は一律無料
コミュニケーションアプリLINEが提供する「LINE証券」は、ネット証券業界最速で100万口座を突破※した20代30代の若い男女に人気の証券会社です。※
特に1株から投資が始められる単元未満株サービス(いちかぶ)が魅力です。通常1株=100株(数万〜数十万)で取引するところ1株(数百円)から取引可能です。
銘柄によっては数百円程度から投資を始められるので、「今まで投資に興味があったけど、なかなか手が出なかった」という方でも投資始めやすいのでおすすめです。

LINE証券の基本情報
運営会社 | LINE証券株式会社 |
---|---|
口座開設数 | 約100万以上 |
手数料 | 無料 |
投資信託数 | 32銘柄 |
NISA/つみたてNISA | 不可 |
出典:LINE証券公式サイト
楽天証券
楽天経済圏などで国民的に人気を誇る「楽天証券」はJ.D.パワー2021年個人資産運用顧客満足度ネット証券部門No.1※を獲得した、業界トップクラスのネット証券です※公式サイトより 楽天証券利用者の75%以上は投資初心者であり、20代〜60代まで幅広い世代に人気のネット証券です。特に投資初心者または楽天経済圏を重視する方におすすめの証券会社です。 出典:楽天証券公式サイト 大手SBIグループが提供する「SBI証券」は、2021年みんなの株式ネット証券比較ランキング第1位※を獲得した実績と信頼のある国内トップのネット証券です。※公式サイトより また、取引手数料が業界最安水準で、1日定額プランでは1日300万円までの取引であれば売買手数料0円で取引できたり、25歳未満のユーザーも現物株の売買手数料が0円です。 出典:SBI証券公式サイト マネックス証券は、米国株の取引チャンスを逃さないための機能として、最大12時間取引が可能な時間外取引を実施しています。これにより、日中でも米国株の取引が可能です。 また、特典として米国ETF買付手数料が実質無料・米国株為替手数料(買付時)が無料・米国株デビュー応援として最大3万円キャッシュバックなど、さまざまなサービスがあります。 マネックスポイントは株式手数料や暗号資産に交換ができる他、dポイント・Amazonギフト券・T-POINT・Pontaポイントなどにも交換できます。 株式投資に活用できるツール・アプリが豊富に揃っているため、自身の投資スタイルに合わせたものを選択可能です。 出典:マネックス証券 松井証券は1918年(大正7年)に創業したネット証券のパイオニアです。日本初のインターネットでの株取引を開始した実績があり、多くの投資家に信頼されています。 また、スマートフォンアプリの「株アプリ」と「株touch」は、PC版に匹敵するほどの機能性と操作性を兼ね備えており、手軽にスマホから売買できるとあって大人気です。 出典:松井証券公式サイト 株式投資は、企業が発行する有価証券「株式」を購入して利益を狙う投資方法です。 購入した株式の値上がりはもちろん、配当や優待を受け取れることもできます。応援したい企業はもちろん、配当が多い企業や今後の成長しそうな企業など、投資の幅はかなり広いと言えるでしょう。 なお、これから株式投資を始めるなら次の3点に注意しましょう。 株式投資は魅力的に思えますが、一定のリスクがあります。無理な投資はくれぐれも避け、失っても問題ない資金から投資するようにしてください!
※公式サイトより
楽天証券の基本情報
運営会社
楽天証券株式会社
口座開設数
約700万以上
手数料
10万円まで:0円
50万円まで:0円
100万円まで:0円
*いちにち定額コース
投資信託数
2,687本
NISA/つみたてNISA
可
SBI証券
SBI証券の基本情報
運営会社
SBIホールディングス
口座開設数
約800万以上
手数料
10万円:0円
50万円:0円
100万円:0円
投資信託数
2,698本
NISA/つみたてNISA
可
マネックス証券
運営会社
マネックス証券株式会社
主な取引ツール
主な手数料(税込)
投資信託数
1,244件
NISA/つみたてNISA
可
松井証券
松井証券の基本情報
運営会社
松井証券株式会社
口座開設数
約120万以上
手数料
10万円:0円
50万円:0円
100万円:1,100円
200万円:2,200円
300万円:3,300円
500万円:5,500円
1,000万円:11,000円
*現物取引
投資信託数
1,183本
NISA/つみたてNISA
可
よくある質問
ひとつの株式に集中投資していると、業績が悪化したときに大ダメージを負ってしまうため、分散投資が重要です。まとめ