
行政書士は弁護士や税理士など、法律に関する士業の1つです。
行政書士資格を取得すれば、行政書士として働くことができることはもちろん、他の法律系資格とのダブルライセンスを狙えるメリットがあります。
今回は行政書士の難易度や試験の概要、おすすめの学習方法などを解説していきます。試験対策のポイントなども紹介しますので、行政書士を目指す人は最後までご覧ください。

Contents
行政書士とはどんな資格?難易度は高い?
先述の通り、行政書士は弁護士や税理士など、法律に関連する士業の1つです。改めてこの章では、行政書士の概要や試験内容、難易度などを解説します。
行政書士とは?
行政書士は1951年に「行政書士法」が制定されたことによって誕生した国家資格で、「街の法律家」とも呼ばれています。
行政書士の業務内容は、官公署に提出する書類の作成、許認可申請の代行、相談業務などが挙げられます。国民と政府のパイプ役のような働きとも言えますね。
行政書士の資格を取得すれば、法律・条例の専門家と認められるため個人・法人問わず、非常に高い需要があることでしょう。

行政書士の試験内容
行政書士の試験問題は、「行政書士の業務に関し必要な法令等」と、「行政書士の業務に関連する一般知識等」から全60問が出題されます。
行政書士の業務に関し必要な法令等では、憲法・行政法・基礎法学・民法・商法などの問題が全46問出題されます。
行政書士の業務に関連する一般知識等の問題は全14問で、政治・経済・社会・情報通信・個人情報保護・文章理解といった内容です。
こちらは択一式で解答します。出題範囲が非常に広いので、しっかりと対策をしていく必要があるでしょう。

行政書士の合格点
行政書士の試験では、各項目ごとに合格基準点が明確に設定されています。それぞれの合格基準点は以下のようになっています。
- 行政書士の業務に関し必要な法令等:122点以上/244点満点
- 行政書士の業務に関連する一般知識等:24点以上/56点満点
- 全体の正答率が60%以上
全体的な合格点は300点満点で180点以上、つまり60%以上の正答率で合格できます。ただし、合格基準を全て満たすのが必須です。
例えば1つの項目で80%以上正答しても、もう1つの項目で基準点を下回ってしまうと不合格になってしまいます。

行政書士合格に必要な学習時間
行政書士試験に合格するために必要な学習時間は、どの程度の法律知識を持っているかによって異なります。
全く法律知識がない人が独学で司法試験に合格するためには、1000時間もの学習時間を費やす必要があります。
法律の知識がない人は独学ではなく、予備校や通信講座を利用することをおすすめします。

行政書士の難易度は高い
法律的な知識を中心に取り扱う行政書士試験は、難易度が非常に高いと言われています。
しかし学習時間を確保し、じっくり確実に知識をつけていけば、初心者でも合格することは十分可能なのです。
同じ士業である司法書士では約3%、社労士は約7%の合格率となっていることから、他の士業資格と比べると難易度は低めだといえるでしょう。

行政書士の合格率は?
行政書士の合格率はは10〜15%を推移しており、決して難易度は低いとは言えません。2016〜2020年の5年間での行政書士試験の合格率をまとめてみました。
- 2016年度:10%
- 2017年度:15.7%
- 2018年度:12.7%
- 2019年度:11.5%
- 2020年度:10.7%
以上が2016〜2020年に行われた行政書士試験の合格率です。年によって若干のばらつきはありますが、およそ10人に1人しか合格できない計算です。
試験範囲が広いので、いかに効率的学習を行えるかどうかが、合格の鍵を握るでしょう。
行政書士の難易度が高い理由とは?
行政書士試験は合格率が10%と非常に難易度が高いです。ではなぜこのよう難易度が高くなってしまっているのでしょうか?
この章では行政書士の難易度が高い理由について解説していきます。難易度が高い理由としては以下のような理由が考えられます。
- 試験範囲が非常に広い
- 誰でも受験できる
- 問題の難易度が高い
試験範囲が非常に広い
行政書士の難易度が高い理由としては、試験に出題される範囲が非常に広いということが挙げられます。
そのため多くの学習時間を割く必要があり、社会人などのまとまった時間を確保することが困難な人にとってはハードルが高いでしょう。
行政書士の試験では憲法や民法、商法などの法令科目が中心に出題されます。また一般知識問題まで範囲は及びます。
ある分野を集中して勉強しても、それぞれの科目合格基準点が設定されているので、満遍なく得点しなければ合格することはできません。

誰でも受験できる
こちらは行政書士の難易度が高い理由というよりは、合格率が低い理由にあたります。基本的に行政書士は受験資格が制定されておらず、誰でも受験できます。
そのため中には学習途中で力試しなどの目的で受験する人も存在します。そのような人たちが合格率を下げているのです。
もちろん行政書士は難易度が高い資格なのですが、合格率がそのまま難易度に直結しているわけではありません。
問題の難易度が高い
行政書士試験は出題範囲が非常に広いことで知られていますが、中には難しい問題も存在します。行政書士試験には択一式・記述式の問題がありますが、記述式問題の方が難易度が高いです。
記述式問題は40文字程度で解答するため、簡単に感じる方もいるかと思いますが、膨大な知識の中からポイントを押さえて記述する必要があるため、難易度は高いでしょう。
しかも記述式問題は1問20点、全部で60点ほどの配点となっており、合格するには記述式問題の攻略が必須と言えます。
難易度の高い行政書士に合格するための対策ポイント
行政書士は難易度の高い試験ではありますが、徹底して試験対策を行えば、法律に関する予備知識がない状態からでも合格できる可能性はあります。
この章では行政書士試験に合格するために抑えるべきポイントについて解説していきます。学習する際の参考にしてみてください。
- 行政法と民法を徹底学習
- 記述式問題対策は重点的に
- 一般知識対策に固執しない
- 過去問対策は必須
- 直前模試は必ず受験
行政法と民法を徹底学習
行政書士に合格するポイント、1つ目は行政法・民法の対策は徹底的に行うということです。
行政法は112点、民法は76点と配点が全体の60%を占めています。行政法・民法の攻略は行政書士試験の合格に大きく近づくのです。
行政法・民法は実例に基づいた問題が出題されることが多く、判例・条文をしっかり理解する必要があります。
何となく全体を学習しても正確に解答するのは難しいので、細かい用語や重要な事例はしっかり覚えておきましょう。

記述式問題対策は重点的に
行政書士に合格するポイント、2つ目は論文問題対策を重点的に行うことです。記述式問題は40文字程度で解答する問題です。
記述式問題の配点は60点と非常に高く、合格するためには是非とも得点しておきたいでしょう。
記述式問題は部分点をもらえることが多く、必要だと思われるキーワードを積極的に使うと得点しやすいです。
問題文をしっかり把握し、短時間で解答の方向性を見出す力も必要になってき ます。

一般知識対策に固執しない
行政書士に合格するポイント、3つ目は一般知識対策に固執しないということです。一般知識では政治・経済・社会などの問題が出題されます。
一般知識問題の配点は56点となっており、244点の配点がある法令等科目よりも比重は少なくなっています。
全く対策をしなくては足切り点の24点を取ることはできません。しかし一般知識問題に膨大な学習時間は不要です。
一般知識問題の対策としてはテレビやネットでニュースを見て世間の動きを知る、文章を読む癖をつけるなどが有効です。

過去問対策は必須
行政書士試験に合格するポイント、必ず過去問対策を行うということです。過去問対策をすることで、おおよその出題傾向を知ることができます。
また出題傾向を知れば効率的な学習が可能です。行政書士試験本番で過去問に似た問題が出題される可能性もあります。
可能であれば過去5年分の過去問を繰り返し解いてみましょう。もし間違った問題があれば、間違えた原因を探るのも重要です。
直前模試は必ず受験
行政書士試験に合格するポイント、最後は直前模試を必ず受験することです。予行演習をせずに試験本番に臨んでしまうと、普段通りの力を発揮できない可能性もあります。
直前模試を受けることによって現時点での自分の学力や苦手分野が明確になり、今後の学習を効率的に進める材料となります。
直前模試は本番と同じ問題量・質が出題されます。本番さながらの環境で問題を解くことで緊張感に慣れることが重要です。
また行政書士試験に合格するためには時間配分も重要になってきますので、直前模試を受験する前に、自分なりの戦略を立ててみましょう。

行政書士の難易度は高い!有効な学習方法とは?
行政書士試験の難易度は非常に高いので、しっかりと学習時間を確保する必要があります。ではどのような学習方法が有効なのでしょうか?
この章では行政書士試験に有効な学習方法を解説していきます。自分に合った学習方法を見つけるのが合格への近道です。
- 通信講座
- 独学
- 予備校・スクール
通信講座
何十万円単位のお金を用意できない、でも自分1人では勉強できないと言う方は通信講座での学習がおすすめです。
通信講座は予備校・スクールよりも費用を抑えることが可能で、スマホやパソコンがあればいつでもどこでも講義を受けることができると言うメリットがあります。
通信講座は通常の講義に加えて、十分な試験対策が施されたテキストで学習することができるので、初心者でも取り組みやすいでしょう。
何かわからない箇所があっても経験豊富な講師陣やサポートセンターに質問することもできます。

独学
ある程度法律に関する予備知識がある、既に行政書士試験を受けた経験があるという人は、独学での学習が有効です。
独学には自分のペースで好きな学習に取り組めるというメリットがあります。一方で自分で学習計画を立てたり、モチベーションを維持したりといったデメリットもあります。
また独学には学習にかかる費用が抑えられるというメリットもあります。必要な費用としてはテキスト代くらいです。
自分で強い意志を持って続けられるという人は独学での学習でも十分合格は可能です。

予備校・スクール
少しでも合格できる確率を上げたい、自分1人では学習を続ける自信がないと言う方は予備校・スクールに通うことをおすすめします。
予備校・スクールに通うとカリキュラムがしっかり組まれており、効率的な学習を進めることが可能です。
また専門家が講義をしてくれるので、1人でテキストに向かうよりは理解度も高まるでしょう。わからない箇所もすぐに質問しに行けます。
ただし独学や通信講座に比べて費用が高額、通学制の場合まとまった時間が必要などのデメリットもあるのでご注意ください。

行政書士を勉強するなら|おすすめの通信講座7選徹底比較
行政書士の試験問題は、業務に関する法令および一般知識から全部で60問出題されますが、全体の正答率が60%以上でなければ合格できません。 法律知識がまったくない状態では1,000時間もの学習時間が必要ともいわれていますが、通信講座を利用するとその約半分の500時間程度で合格を実現できるとされています。 毎年約4万人以上もの方が受験している行政書士の試験は大変人気のある資格ですが、合格率はおよそ10%と非常に低く、難関の資格といっても過言ではありません。 必要勉強時間も、法律の知識があっても計500時間から600時間、知識のない方であれば800時間から1,000時間も必要といわれています。 ここからは、行政書士の資格を確実にものにするために当サイトが徹底比較しておすすめできる通信講座を複数ご紹介します。 ※ランキングは価格の安い順 合格率 おすすめポイント ※2022年6月時点 フォーサイトは、行政書士をはじめさまざまな資格で高い合格率を誇る通信教育サービスです。コストを抑えながら勉強できる点は、利用者にとって大きなメリットと言えます。 また、万が一不合格でも全額返金制度があります。ただし、全額返金制度が適用されるのは「バリューセット3」で条件を満たした場合のみです。 出典:フォーサイト STUDYingは、忙しい社会人向けの通信教育であり、スマホで「いつでもどこでも勉強できる」ことを強みとしています。1回あたりの授業時間は5分程度と短いため取り組みやすいです。 また、通信講座は孤独になりがちですが、STUDYingの「勉強仲間機能」を利用すると、同じ行政書士を目指す仲間と励まし合いながら学べます。 たのまなの特徴として、効率良く勉強できることが挙げられます。行政書士は出題範囲や出題形式が幅広いことから、難関試験に位置付けられているものです。 スマホやパソコンなど、さまざまなデバイスで映像講座を受講できるため、外出先でもちょっとした空き時間で効率的に勉強できます。 出典:たのまな 資格のキャリカレは、行政書士を開業・高収入・スキルアップを狙える国家資格と捉えており、初心者でも短期間で合格することにフォーカスしています。 不合格でも全額返金制度がある点から、講座に自信を持っていることが伺えます。ただし、返金には条件があるため誰でも適用される訳ではありません。 出典:資格のキャリカレ LEC東京リーガルマインドは、Web講座だけでなく通学講座も無料で体験できます。どちらも無料で体験したうえで、自分のライフスタイルに合った方を選択可能です。 自分が通信講座と通学講座のどちらが向いているか、どのような授業を受ければ良いか、割引制度はないかなど、申し込み前に面談で相談できます。 ユーキャンの特徴として、通信講座を申し込む前に自分が行政書士に向いているか診断できる点が挙げられます。 ユーキャンは期間限定でキャンペーンを行っており、2022年5月31日までの申し込みで行政書士講座が5,000円引きとなるキャンペーンを実施中です。 出典:ユーキャン 資格の大原は受講コースが幅広く、行政書士だけも初心者向けから学習経験者向けまであり、自分のレベルに合ったものを選びやすくなっています。 資格の大原では教育ローンを組むことができ、毎月3,000円から支払い計画を立てられるため出費を抑えられます。 出典:資格の大原
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行政書士の難易度に関するよくある質問
まとめ
今回は行政書士試験の難易度や試験の概要、おすすめの学習方法などについて解説してきました。
行政書士の合格率は10%程度低めです。
また出題範囲が非常に広いため、難易度が高い資格だといえるでしょう。
しかし対策すべき点をしっかり押さえ、熱心に学習していけば初心者でも合格することは可能です。
初心者が行政書士試験対策をする際は、費用も抑えられて、自分のペースで学習できる通信講座の受講がおすすめです。

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